魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
呪いだけではないのだ。あの娘は、魔力から生まれたものを際限なくその身体に取り込み……どのような強力なものであろうと、その身を侵されることはない。そのような力を……シルウィーが魔力を失った代償に得たのだとしたら――。
「ああ、忌々しいッ! また私の邪魔をするのか!」
過去の怨敵が自分を嘲笑うかのような出来事に、ヴェロニカは踏みつけにした足元の塵を蹴り飛ばす。そして彼女は部屋に合った燭台を手に取った。
「どいつもこいつも……! 無力で、役立たずの存在だったくせに!」
嫌な記憶を思い出したように――彼女は手当たり次第にそれを振るうと、部屋の中にあるものを傷付けていく。ガシャン、バリバリッと甲高い音を響かせ、せめて溢れ出た分の怒りだけでも発散していく。
「はあ、はあ……」
ヴェロニカはひん曲がった燭台を放り捨てると、再び大きな寝台に身体を預けた。
マルグリットの娘シルウィー。古き時代に生きた、精霊に愛されしある娘の、血筋を引きし者。
「ああ、忌々しいッ! また私の邪魔をするのか!」
過去の怨敵が自分を嘲笑うかのような出来事に、ヴェロニカは踏みつけにした足元の塵を蹴り飛ばす。そして彼女は部屋に合った燭台を手に取った。
「どいつもこいつも……! 無力で、役立たずの存在だったくせに!」
嫌な記憶を思い出したように――彼女は手当たり次第にそれを振るうと、部屋の中にあるものを傷付けていく。ガシャン、バリバリッと甲高い音を響かせ、せめて溢れ出た分の怒りだけでも発散していく。
「はあ、はあ……」
ヴェロニカはひん曲がった燭台を放り捨てると、再び大きな寝台に身体を預けた。
マルグリットの娘シルウィー。古き時代に生きた、精霊に愛されしある娘の、血筋を引きし者。