魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「おそらく、こっちの面は割れたころかしら……。でも、あちらのタネも割れているのよ」
ヴェロニカの口元がうっすらと歪で邪悪なフォルムを描く。
それでも収穫はあった。あのリュドベルク公爵家の次男坊に反撃され、傷を負った後もヴェロニカは、身を隠したまま彼らの行動を見ていのだ。
引き際をボースウィン公爵に見られたのは失態だったが……それを上回る、確実な証拠となるものをこの目は捉えた。
(くくく……なんてことかしら。あの娘は……呪いを直接吸い込んでいた!)
その時の衝撃は、今でも忘れられない。彼女が祈りを捧げ、しばらくの時が経った後――その形を保ったまま剥がされた呪いが、続々と彼女の身体の中へと消えていったのだ。
それだけは、ヴェロニカにとって看過できることではない。
(確実に、シルウィーは自分の中に膨大な呪いの力を取り込んだはず。なのに、それはあの娘になんの影響も及ぼさず、眠ったように沈黙している。あんなもの、特異体質なんて言葉で説明が付くものですか。明らかに何者かの手が加わっている。やはり、マルグリットの……チッ)
ヴェロニカの口元がうっすらと歪で邪悪なフォルムを描く。
それでも収穫はあった。あのリュドベルク公爵家の次男坊に反撃され、傷を負った後もヴェロニカは、身を隠したまま彼らの行動を見ていのだ。
引き際をボースウィン公爵に見られたのは失態だったが……それを上回る、確実な証拠となるものをこの目は捉えた。
(くくく……なんてことかしら。あの娘は……呪いを直接吸い込んでいた!)
その時の衝撃は、今でも忘れられない。彼女が祈りを捧げ、しばらくの時が経った後――その形を保ったまま剥がされた呪いが、続々と彼女の身体の中へと消えていったのだ。
それだけは、ヴェロニカにとって看過できることではない。
(確実に、シルウィーは自分の中に膨大な呪いの力を取り込んだはず。なのに、それはあの娘になんの影響も及ぼさず、眠ったように沈黙している。あんなもの、特異体質なんて言葉で説明が付くものですか。明らかに何者かの手が加わっている。やはり、マルグリットの……チッ)