魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
一見粗野で自分勝手に見える人だけど、こうして残り少ない命を周りの人々のために捧ぐところを見ると、それは上辺で本質はとても情に厚い人なのだと分かる。
こんな人が若くして呪いで命を奪われかけ……彼を信じ、その身を案じる心優しい領民たちも共に苦しまなければならないなんて……そのもの悲しさが、ぐっと胸を突き刺さしてくる。
(もしも、私に魔法が使えたら……)
母のように強い魔法士だったなら、魔物から彼らを守り、スレイバート様の呪いを弱める手助けくらいはできていたかもしれない――そう思うと、指に火を灯す程度の魔法すら使えない無力な自分が、とても情けない。
やっきになって父親に学ばされた魔法の知識があるだけでは、なんの役にも立たないのだ。この村の子どもたちですら、自分でできる仕事を手伝って家族を支えているというのに、私は……。
(いつだって、なにもせずに誰かの助けを待つばかり……)
自分がいかに貴族という立場に甘えて来たかを、思い知った気分だ。
なにもできないならせめて、父の言いなりになってないで家から逃げ出すくらいのことをして見せればよかったのに。
こんな人が若くして呪いで命を奪われかけ……彼を信じ、その身を案じる心優しい領民たちも共に苦しまなければならないなんて……そのもの悲しさが、ぐっと胸を突き刺さしてくる。
(もしも、私に魔法が使えたら……)
母のように強い魔法士だったなら、魔物から彼らを守り、スレイバート様の呪いを弱める手助けくらいはできていたかもしれない――そう思うと、指に火を灯す程度の魔法すら使えない無力な自分が、とても情けない。
やっきになって父親に学ばされた魔法の知識があるだけでは、なんの役にも立たないのだ。この村の子どもたちですら、自分でできる仕事を手伝って家族を支えているというのに、私は……。
(いつだって、なにもせずに誰かの助けを待つばかり……)
自分がいかに貴族という立場に甘えて来たかを、思い知った気分だ。
なにもできないならせめて、父の言いなりになってないで家から逃げ出すくらいのことをして見せればよかったのに。