魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
結局ラルフさんには大変な思いをさせただけで、何の利益も役得もなかったろう。彼も本来なら公爵家の次男坊として任されている役目があるはずで……貴重な休暇と、カヤさんとの交流の機会を私などのために使わせてしまった。それが本当に申し訳なく、ひたすら謝るしかなく思えた私の頭の上を、軽快な笑いが通り過ぎていった。
「へっへっへ、な~に言ってんだ。元々あんたに恩返しがしたくてオレがけしかけたようなもんなんだ。楽しいやつらとも知り合えたし、ちっとでも役に立てたなら本望ってやつだぜ。惜しむらくはスレイバートのやつに一泡吹かせてやれなかったことだけだな」
そこで、スレイバート様の表情がびしっと険しくなった。
「そういえばてめー、人の女と泊りがけでこんなとこまで追っかけて来やがって。向こうに戻ったら、永久凍土の下に埋め込んで千年放置してやるが……言い残すことはあるか?」
どうもラルフさんだけには一段と厳しいスレイバート様の視線がギロンと照射され、たちまち彼は私たちと距離を取った。
「ひええっ、おっかねえおっかねえ。ま、そういうことでオレは先に戻ったらカヤを連れてリュドベルク領に退散するぜ。さすがにそろそろエルハルト兄もお冠だろうしな」
そして、白い歯を光らせニカッと笑い、とんでもない捨て台詞を吐き出した。
「へっへっへ、な~に言ってんだ。元々あんたに恩返しがしたくてオレがけしかけたようなもんなんだ。楽しいやつらとも知り合えたし、ちっとでも役に立てたなら本望ってやつだぜ。惜しむらくはスレイバートのやつに一泡吹かせてやれなかったことだけだな」
そこで、スレイバート様の表情がびしっと険しくなった。
「そういえばてめー、人の女と泊りがけでこんなとこまで追っかけて来やがって。向こうに戻ったら、永久凍土の下に埋め込んで千年放置してやるが……言い残すことはあるか?」
どうもラルフさんだけには一段と厳しいスレイバート様の視線がギロンと照射され、たちまち彼は私たちと距離を取った。
「ひええっ、おっかねえおっかねえ。ま、そういうことでオレは先に戻ったらカヤを連れてリュドベルク領に退散するぜ。さすがにそろそろエルハルト兄もお冠だろうしな」
そして、白い歯を光らせニカッと笑い、とんでもない捨て台詞を吐き出した。