魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「へへっ、ガキども……また遊んでやっから、オレのこと忘れんなよ! じゃあな!」
「「「みんな、また来てね~!」」」

 子どもたちの大合唱が背中を押し。
 それぞれが温かい別れの言葉を胸に染み込ませながら、少しずつ距離を離していく。

 でも、きっと……結ばれたこの彼らとの関わりの糸は、そう簡単には切れたりしない。
 そうと強く信じられるような――今回のクラメーアへの追跡行は、そんな旅の終わりとなった。

 ――そうして各地へと向かう馬車の乗り場へと辿り着いたのだが……。

「さてと、おふたりさんはなんかまだ寄るところがあるんだろ? んじゃ、オレはお先に妹のところへ戻るとすっか」

 ぐうんと背伸びしたラルフさんを見て、私は大変なことを思い出した。

「そ、そうでした……! ごめんなさい、妹さんを放ったまま私に付き合わせてしまって。しかも勘違いだったし、なんてお詫びをしたらいいか」
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