魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「んなこと、許さねーからな」
「わ、わかってますよ」
この様子だと、当分リュドベルク領を尋ねることはできなさそうだと、私が密かに溜め息を吐いていると……深呼吸を繰り返して怒りを鎮めたスレイバート様が、私に手のひらを差し出す。
「地図貸せよ。メレーナから貰ったやつ」
「あ……行かせてもらえるんですか?」
――この停車場に行くまでの道中、私たちはある場所に寄っていた。
スレイバート様が【精霊の祈り塩】を購入したお店に。
確かめに行っていたのだ……塩にかけられていた呪いが、それ単品だけの偶然のものなのか、それとも……すべてに意図的に仕込まれていたものなのか。
しかして……それは後者であった。店の店主に交渉して見せてもらった倉庫の在庫には、すべて、微かではあるが呪いの気配が漂っていた。
「わ、わかってますよ」
この様子だと、当分リュドベルク領を尋ねることはできなさそうだと、私が密かに溜め息を吐いていると……深呼吸を繰り返して怒りを鎮めたスレイバート様が、私に手のひらを差し出す。
「地図貸せよ。メレーナから貰ったやつ」
「あ……行かせてもらえるんですか?」
――この停車場に行くまでの道中、私たちはある場所に寄っていた。
スレイバート様が【精霊の祈り塩】を購入したお店に。
確かめに行っていたのだ……塩にかけられていた呪いが、それ単品だけの偶然のものなのか、それとも……すべてに意図的に仕込まれていたものなのか。
しかして……それは後者であった。店の店主に交渉して見せてもらった倉庫の在庫には、すべて、微かではあるが呪いの気配が漂っていた。