明治女子、現代で御曹司と契約結婚いたします
「なに?」
「おかげで今の世にもぐんぐん順応できる」
ククク、と忍び笑いする白玉はやや邪悪に見えた。澪はコテンと首を傾ける。
「ええとつまり――食べた邪気にくっついている気持ちがわかるってこと?」
「おう。強い思念には知識もついてくる。我が様々なことを知っているのはそのおかげよ」
「――悪役令嬢とか言い出したのはそれか!」
桐吾はつい声を大きくした。「ナンパ」だの「家柄が大事」だの、何を観て覚えたのかと不思議だったが原因は動画視聴ではなかった。まさかの理由は、邪気の摂取。
街にあふれる人々の不満、怨嗟。その裏にある事情を吸収し、白玉は順調にレベルを上げているらしい。
「なんてシステム搭載してるんだおまえ……」
「我も気づいた時には驚いた。しかし便利だぞ? おかげでこの世のいろいろに対応できる。澪のそばに我がいれば桐吾も安心というわけよな」
「ぐっ……」
桐吾は言い返せなくなった。
平日の、桐吾が家にいない時間帯。本当は澪が心配で心配で気が狂いそうだった。全日リモートワークにしてずっと澪のそばにいたいところ。散歩だって近所だから許しているが、できれば常に自分の腕の中に閉じこめておきたい。
「白玉はその力で高橋の心を読んだと……」
「心というわけではない。まとう邪気にそんな味がするだけのこと」
「高橋本人は俺を裏切りたくないが、伯父が澪のことを探らせているんだな? 澪をどうするつもりなのか、わかるか?」
桐吾にとっては澪に危害を加えられるのが一番恐ろしい。自分よりもまず、優先すべきは澪の安全だ。
「おかげで今の世にもぐんぐん順応できる」
ククク、と忍び笑いする白玉はやや邪悪に見えた。澪はコテンと首を傾ける。
「ええとつまり――食べた邪気にくっついている気持ちがわかるってこと?」
「おう。強い思念には知識もついてくる。我が様々なことを知っているのはそのおかげよ」
「――悪役令嬢とか言い出したのはそれか!」
桐吾はつい声を大きくした。「ナンパ」だの「家柄が大事」だの、何を観て覚えたのかと不思議だったが原因は動画視聴ではなかった。まさかの理由は、邪気の摂取。
街にあふれる人々の不満、怨嗟。その裏にある事情を吸収し、白玉は順調にレベルを上げているらしい。
「なんてシステム搭載してるんだおまえ……」
「我も気づいた時には驚いた。しかし便利だぞ? おかげでこの世のいろいろに対応できる。澪のそばに我がいれば桐吾も安心というわけよな」
「ぐっ……」
桐吾は言い返せなくなった。
平日の、桐吾が家にいない時間帯。本当は澪が心配で心配で気が狂いそうだった。全日リモートワークにしてずっと澪のそばにいたいところ。散歩だって近所だから許しているが、できれば常に自分の腕の中に閉じこめておきたい。
「白玉はその力で高橋の心を読んだと……」
「心というわけではない。まとう邪気にそんな味がするだけのこと」
「高橋本人は俺を裏切りたくないが、伯父が澪のことを探らせているんだな? 澪をどうするつもりなのか、わかるか?」
桐吾にとっては澪に危害を加えられるのが一番恐ろしい。自分よりもまず、優先すべきは澪の安全だ。