明治女子、現代で御曹司と契約結婚いたします
初めてのデート
「白玉ったら、桐吾さんにご挨拶?」
澪は声をあげて笑ったが、舐められた桐吾は微妙な表情だ。白玉は知らん顔ですぐに桐吾の腕から飛び降りる。きれいに香箱座りすると口もとをペロリとし満足げだ。
――こうしていると化け猫には見えない。まあ澪も祟り神らしくないのだが。
「今のなんだったのよう、白玉」
澪は機嫌よくウリウリと猫の背をなでた。白玉はなすがまま。
(白玉と桐吾さんが仲良しになるのは嬉しいわ。せっかく――家族なんだもの)
契約夫婦と、その飼い猫。ならば家族といっても差しつかえないだろうが――。
桐吾は上着をハンガーに掛けると「シャワーを浴びる」と風呂場に行ってしまった。見送りながら澪は――幸せと不安を同時にかみしめる。
(こうしていられるのはいつまでだろう)
まだ出会ってほんの数日の桐吾。久世の名前に驚いたし無愛想な人だけど、そばにいて不思議と安らいだ。だけどそれも契約が終わるまでのこと。
(私、桐吾さんのお見合いをお断りするための偽の奥さんだもの。破談になった後、祟り神として役に立たないなら――ここにいる意味がなくなっちゃう)
そうしたら祟り神と化け猫はどうすればいい。
路頭に迷う? 生活のことだけなら、成仏を目指すとか再び祠に封じられるとかでなんとかなるはず。
だけど。
――桐吾と離れることを考えて、澪の胸はズキンと痛んだ。
澪は声をあげて笑ったが、舐められた桐吾は微妙な表情だ。白玉は知らん顔ですぐに桐吾の腕から飛び降りる。きれいに香箱座りすると口もとをペロリとし満足げだ。
――こうしていると化け猫には見えない。まあ澪も祟り神らしくないのだが。
「今のなんだったのよう、白玉」
澪は機嫌よくウリウリと猫の背をなでた。白玉はなすがまま。
(白玉と桐吾さんが仲良しになるのは嬉しいわ。せっかく――家族なんだもの)
契約夫婦と、その飼い猫。ならば家族といっても差しつかえないだろうが――。
桐吾は上着をハンガーに掛けると「シャワーを浴びる」と風呂場に行ってしまった。見送りながら澪は――幸せと不安を同時にかみしめる。
(こうしていられるのはいつまでだろう)
まだ出会ってほんの数日の桐吾。久世の名前に驚いたし無愛想な人だけど、そばにいて不思議と安らいだ。だけどそれも契約が終わるまでのこと。
(私、桐吾さんのお見合いをお断りするための偽の奥さんだもの。破談になった後、祟り神として役に立たないなら――ここにいる意味がなくなっちゃう)
そうしたら祟り神と化け猫はどうすればいい。
路頭に迷う? 生活のことだけなら、成仏を目指すとか再び祠に封じられるとかでなんとかなるはず。
だけど。
――桐吾と離れることを考えて、澪の胸はズキンと痛んだ。