明治女子、現代で御曹司と契約結婚いたします
「なに!?」
「え?」
澪と桐吾はそろって頭を上げた。
声がした窓辺を見ると、夕陽を背に子どもが立っていた。逆光に目を細める二人にゆっくり近づいたのは――白い水干姿の男の子だ。
「まったく、こんなにおぼこい澪をからかいよって――桐吾といえど許さんぞ!」
少年はビシッと桐吾に人差し指を突きつけた。どういうこと――と思ったが、その姿をよく見て澪は息をのむ。
肩にかからないほどの白い髪。そして、青い右目と黄色い左目!
「――白玉なの?」
澪のふるえる声に桐吾は言葉を失った。
そんな――信じがたいが、そうとしか思えない。室内を見まわしても猫の白玉の姿はなかった。
少年・白玉はふふんと不遜な目で二人を見おろす。
「おう! 我は白玉、この世によみがえり邪気を食べたことで変化の術を手に入れた!」
偉そうに言い切った白玉の前で、感激した澪は言葉もない。少年を穴の開くほど見つめた桐吾はぼう然とつぶやいた。
「白玉――オスだったのか」