明治女子、現代で御曹司と契約結婚いたします
「……あなたは、そんなに久世を憎んでいるの? 人を呪うなんて」
おそるおそる澪は尋ねた。
悪意はみずからに返ってくる。憎しみは人を狂わせる。
祟り神とまで呼ばれたらしい澪が言うのもなんだけど、お勧めはできない気がした。
「あんまり思い詰めない方がいいんじゃないかしら……」
「まあ確かに。俺は君ほどひどい目にあってはいない――君は家が没落し、祝言を強要され、猫を殺されたんだったか」
「ふしゃ――ッ!」
話題にされたのがわかったのか、白玉が桐吾を威嚇した。
「あん、よしよし。白玉も痛かったわね」
「そんなことがあった君だ、祟る資格はあるだろう。なんなら俺のこともまとめて祟ってくれてかまわない」
「――え?」
猫をなだめる澪の手がとまる。桐吾は嘲笑うように吐き出した。
「俺も、久世を名乗る人間だからな。久世桐吾。それが俺の名前だ」
おそるおそる澪は尋ねた。
悪意はみずからに返ってくる。憎しみは人を狂わせる。
祟り神とまで呼ばれたらしい澪が言うのもなんだけど、お勧めはできない気がした。
「あんまり思い詰めない方がいいんじゃないかしら……」
「まあ確かに。俺は君ほどひどい目にあってはいない――君は家が没落し、祝言を強要され、猫を殺されたんだったか」
「ふしゃ――ッ!」
話題にされたのがわかったのか、白玉が桐吾を威嚇した。
「あん、よしよし。白玉も痛かったわね」
「そんなことがあった君だ、祟る資格はあるだろう。なんなら俺のこともまとめて祟ってくれてかまわない」
「――え?」
猫をなだめる澪の手がとまる。桐吾は嘲笑うように吐き出した。
「俺も、久世を名乗る人間だからな。久世桐吾。それが俺の名前だ」