明治女子、現代で御曹司と契約結婚いたします
「ごちそうさまでした」
澪がていねいに手を合わせた。考え事をしながら無意識に食べ続けていた桐吾の皿も空だ。桐吾はさっと二人分の食器を台所にさげる。
「あ。私も」
カタン。椅子が音をたてた。手伝おうと立ち上がった澪がふらついたのだ。テーブルに手をついた澪は初めての感覚に驚いていた。これが酒に酔うということか。
「大丈夫か」
「うん……」
桐吾が駆け寄って横から支えた。揺れていた澪はくったり身を任せてしまう。
(桐吾さんがいると安心する)
ぼんやりと桐吾を見上げた。素朴で真っ直ぐだった冬悟の笑顔とは違う、渋めな表情。でも澪を案じてくれているとはっきりわかった。
「とりあえずソファへ」
「ん」
なすがまま連れていかれ、そっと座らせてもらう。水のコップを差し出されて飲む間は隣で見守られた。
「桐吾さん……ありがとう」
「いい。酒なんか飲ませて悪かった」
「ううん美味しかったの。でもふわふわする……」
「おっと」
澪は微笑んでグラリと倒れかかる。受けとめた桐吾は胸におさまった澪に鼓動が速くなった。
とろんとした瞳。軽く開いた唇。今くちづければ梅酒ソーダの香りがするのか。桐吾はそっと頬を寄せた。
澪がていねいに手を合わせた。考え事をしながら無意識に食べ続けていた桐吾の皿も空だ。桐吾はさっと二人分の食器を台所にさげる。
「あ。私も」
カタン。椅子が音をたてた。手伝おうと立ち上がった澪がふらついたのだ。テーブルに手をついた澪は初めての感覚に驚いていた。これが酒に酔うということか。
「大丈夫か」
「うん……」
桐吾が駆け寄って横から支えた。揺れていた澪はくったり身を任せてしまう。
(桐吾さんがいると安心する)
ぼんやりと桐吾を見上げた。素朴で真っ直ぐだった冬悟の笑顔とは違う、渋めな表情。でも澪を案じてくれているとはっきりわかった。
「とりあえずソファへ」
「ん」
なすがまま連れていかれ、そっと座らせてもらう。水のコップを差し出されて飲む間は隣で見守られた。
「桐吾さん……ありがとう」
「いい。酒なんか飲ませて悪かった」
「ううん美味しかったの。でもふわふわする……」
「おっと」
澪は微笑んでグラリと倒れかかる。受けとめた桐吾は胸におさまった澪に鼓動が速くなった。
とろんとした瞳。軽く開いた唇。今くちづければ梅酒ソーダの香りがするのか。桐吾はそっと頬を寄せた。