拝啓、元婚約者様 捨てた私のことはお構いなく
この反応は当然だった。鉱山の権益は莫大な財を産む。ひとつだって喉から手が出るほど欲しいと思う貴族が多いのに、それを無償で渡すなど考えられない行為だ。
「幸い、わたくしは神恵によって、どの鉱山で何が採れ、それがどのくらいの埋蔵量なのかを事前に知ることができます。国王陛下に対し、そこまで大きくはないけれど有用な鉱山の権益をひとつお渡しすれば、我々の忠誠心の高さを示すことができるはずです。これこそ、他の家門にはまねできない行為です」
「なるほど。大きな利益を得るために、小さな利益を捨てるということだな? 面白い戦術だ」
ホークはにやりと笑う。
「きみに求婚したのは正解だった」
「領地に利益をもたらすという意味ですか?」
「違う。美しくて頭がよく、俺を魅了する」
ホークの手が伸びてきて、フィーヌの髪をひと房掬い上げる。
彼はその髪に顔を寄せ、触れるだけのキスをした。
「なっ」
「どうした?」
「いえ、なんでもありません!」
フィーヌはふいっとそっぽを向く。
「愛する人に対しては、誠実で正直であったほうがいいと思いますよ」
「俺はいつだって誠実で正直だが?」
「幸い、わたくしは神恵によって、どの鉱山で何が採れ、それがどのくらいの埋蔵量なのかを事前に知ることができます。国王陛下に対し、そこまで大きくはないけれど有用な鉱山の権益をひとつお渡しすれば、我々の忠誠心の高さを示すことができるはずです。これこそ、他の家門にはまねできない行為です」
「なるほど。大きな利益を得るために、小さな利益を捨てるということだな? 面白い戦術だ」
ホークはにやりと笑う。
「きみに求婚したのは正解だった」
「領地に利益をもたらすという意味ですか?」
「違う。美しくて頭がよく、俺を魅了する」
ホークの手が伸びてきて、フィーヌの髪をひと房掬い上げる。
彼はその髪に顔を寄せ、触れるだけのキスをした。
「なっ」
「どうした?」
「いえ、なんでもありません!」
フィーヌはふいっとそっぽを向く。
「愛する人に対しては、誠実で正直であったほうがいいと思いますよ」
「俺はいつだって誠実で正直だが?」