拝啓、元婚約者様 捨てた私のことはお構いなく
「なるほど……。こんなに早く作業が終わるなど、さすが精霊様だ。人間の力をはるかに凌駕している。あなたがいてくれて、我々は本当に助かった。感謝しよう」

 ホークはその場に跪いて、ヴァルに対して感謝の言葉を告げる。彼にはヴァルが見えていないはずなのに、まるで見えているかのように自然な所作だった。

「なんだよ、そんなに褒められたら照れちゃうだろ」

 ヴァルはぽりぽりと頭を掻いて赤くなっている。元々褒められることが大好きなのでとっても嬉しそうだ。

「お前はちゃんとオイラに感謝してくれるから、また手伝ってやるよ」
「褒めてお礼を言ってくれたから、また手伝ってくれるそうです」

 フィーヌはまたホークの耳元に囁く。

「そのようなありがたい言葉をいただけるとは、感謝してもしきれない。精霊様は我々の救世主だな」
「救世主? オイラが?」
「よかったわね、ヴァル」

 褒められてそわそわする姿がとっても可愛くてつい笑みが漏れる。
 
「お前やっぱいい奴だな。オイラ、お前のことは好きだ」
 
 ヴァルはホークを見上げ、にかっと笑った。
 
 
  ◇ ◇ ◇
 

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