それが例え偽りの愛だとしても
“壊してしまうほどに抱かれる”

そんな言葉を向けられるなんて、思ってもいなかった。

私はただの“妾腹の娘”で、偽物で、そんな私が……“本気で欲しい”と思われている。

「君は、今日でも明日でも同じだと言ったけれど——俺は違うと思う。」

「……え?」

見上げた真人様の目は、いつもよりも苦しげだった。

まるで、胸の奥に押し込めた衝動を、必死に抑えているような。

「俺は——君を、妻として堂々と抱きたいんだ。」

その一言で、心がいっぱいになった。

胸が詰まって、何も言えなくなる。

もう、泣きそうだった。

真人様は、静かに私の髪に手を添えながら、続けた。

「大丈夫。俺は君に惚れている。だからこそ、君が“俺の妻”として俺の腕の中にくる日を……待ちたい。」
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