それが例え偽りの愛だとしても
彼の唇が、そっと私の肌に触れた。やさしく、そして確かに――。

「んん……」

思わず漏れた声に、彼の吐息が重なる。

「声を、聞かせてくれ……」

彼が私を求めている。それが痛いほど伝わる。

「恥ずかしい……」

「恥ずかしくなんてないよ。今夜、君のすべてを、俺だけが知る。」

彼の吐息が、私の身体にそっとかかるたび、触れているところが熱くなっていく。

「ずっと、待ち焦がれていた。君の唇も……肌も……吐息さえも。」

真人様の低く囁く声が、体の奥まで染み渡る。

その一言一言が、私の心を震わせた。

「ゆっくり入れるから、痛かったら言ってね。」

その言葉に、私は頷くことしかできなかった。

「はい……」

緊張で震える私の手を、真人様が優しく包み込む。

そして、彼の熱が、静かに、けれど確かな意志をもって私に触れた。
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