それが例え偽りの愛だとしても
その声に、私は無言で頷いた。涙が滲むほど、幸せで――苦しくて。

「初めて君を抱くのに……まるで、ずっと前から知っていたかのように、俺の肌に馴染む。」

その言葉が、心に深く刻まれる。

「私の肌を、お気に召して……くれましたか?」

問いかけると、真人様が微笑みながら頷いた。

「気に入るなんてもんじゃない……はまってしまいそうだ。」

私は彼にすべてを預けた。この愛が、偽りで終わらないようにと願いながら。

「ああ、沙奈……」

律動が次第に激しさを増し、真人様の声が震える。

「もう……我慢できない……」

その言葉に、私は目を閉じた。熱を受け止める覚悟を込めて。

「下さいませ……あなたの全部……」

私の言葉に、真人様は強く抱きしめてくる。

「……あげるよ。俺の全部、君のものだ。」

額に浮かぶ汗が、私の肌に滴る。それすらも、愛おしい。
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