それが例え偽りの愛だとしても
その言葉とともに、ぎゅっと強く抱きしめられる。

私は、その体温に包まれながら、ああ、愛されているのだと、全身で実感していた。

やがて、真人様は私の額にキスを落とし、そっと身体を起こす。

「先に行くよ。君は少し、休んでから来るといい。」

ズボンを直しながら微笑んで、真人様は静かに部屋を後にした。

残された私は、横向きになって布団に頬をうずめた。

――幸せだ。
私は、この人に……心から、愛されている。

着物を整えて、居間へと足を運ぶと、真人様のご飯をお母様がよそっていた。

「あの……すみません、お母様。」

慌てて隣に並ぶと、お母様がクスッと笑う。

「あらあら、二人とも熱々ね。」

「えっ?」

驚いてお母様を見ると、微笑んだまま、そっと私の髪に視線を落とした。
< 56 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop