私の年下メガネくん
2
休み明け、楓子はぼうっとしていた。
葵とのおでかけが夢のように残って、なかなか覚めてはくれない。
仕事中に彼を見てこっそりため息をつく。誰も新調したメガネに気づいていない。知っているのは自分だけ。
仕事を終えてひとり暮らしの家に帰ると、我慢しきれなくてメッセージを送った。
『新しいメガネはどう?』
しばらくして、返信が届く。
『いい感じです。予備も古いので、もうひとつ欲しくなりました』
楓子は目を見張った。
これは誘うチャンスなのでは?
だけど、と弱気な自分が止める。
本当は嫌なのに上司だからと了承されたら?
でも待っていてはなにも進展しない。この前は一応、嫌がっていなかったように思う。
うーん、と悩んでいると、メッセージが届いた。
『また選んでもらえませんか?』
「待って待って、本当に!?」
何度見ても文面は変わらない。
楓子はごくりと唾を飲みこみ、スマホを握りしめた。
あまり早く返信するとおかしいかな。五分後くらいならいいかな。ぜひ行きたいです、だと変かな。いいよ、だと上から目線かな。
返事を考えていると、それだけで時間が過ぎていく。まるで恋愛初心者だ。
葵とのおでかけが夢のように残って、なかなか覚めてはくれない。
仕事中に彼を見てこっそりため息をつく。誰も新調したメガネに気づいていない。知っているのは自分だけ。
仕事を終えてひとり暮らしの家に帰ると、我慢しきれなくてメッセージを送った。
『新しいメガネはどう?』
しばらくして、返信が届く。
『いい感じです。予備も古いので、もうひとつ欲しくなりました』
楓子は目を見張った。
これは誘うチャンスなのでは?
だけど、と弱気な自分が止める。
本当は嫌なのに上司だからと了承されたら?
でも待っていてはなにも進展しない。この前は一応、嫌がっていなかったように思う。
うーん、と悩んでいると、メッセージが届いた。
『また選んでもらえませんか?』
「待って待って、本当に!?」
何度見ても文面は変わらない。
楓子はごくりと唾を飲みこみ、スマホを握りしめた。
あまり早く返信するとおかしいかな。五分後くらいならいいかな。ぜひ行きたいです、だと変かな。いいよ、だと上から目線かな。
返事を考えていると、それだけで時間が過ぎていく。まるで恋愛初心者だ。