私の年下メガネくん
「花蔵さんがかわいいって言うから、これがいいです」
 彼のはにかむ姿がかわいくて、楓子は心臓が止まりそうになった。

 幸運にもレンズの在庫があり、メガネは即日で出来るという。そのため、出来上がるまでほかの店を見て時間をつぶすことになった。
 通りすがりのアクセサリーショップで、かわいいバンスクリップを手に取り、楓子は目を輝かせた。
 リボンを模したシルバーのバンスクリップだ。中心には大きなパールが飾られている。

「かわいいですね」
「買っちゃおうかな」
「じゃ、今日のお礼に俺が出します」
 ひょいと持っていかれ、楓子は慌てた。

「お昼も出してもらったのに」
「気持ちなんで」
 彼はさっさとレジに行き、会計を済ませてしまう。
 はい、と渡されたそれを、楓子はぎゅっと胸に抱きしめた。

「ありがとう」
「どういたしまして」
 にこっと笑う彼に、楓子の体温がいやがおうにも上がっていく。

「このあとまた服を見てもらえませんか。今までの俺ってダサすぎたなって気づいて」
 恥ずかしそうな彼に、楓子は笑みを返す。
 彼のかっこよさを隠しておきたい。が、それではきっと、彼に誇れる自分ではいられない。

「いくらでも選んであげるから。覚悟してね!」
 言い切る楓子に、葵はまぶしそうに目を細めた。
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