私の年下メガネくん
「かっこいいよ。すごく……」
「嬉しいです」
 彼はただにこやかに微笑し、なんだかじれったい。

 このまま抱きしめてほしい。
 あと三十センチ。手を伸ばせば触れられる。なのに。

 彼の手が、そっと離れようとする。
 思わずその手を掴み、自分の頬に当てていた。
 自分でも思ってもみなかった行動に、楓子は動揺した。

「ごめん、これ、セクハラに……」
「なりません」
 断言する彼に、楓子は思わず顔を上げた。
 見つめる眼差しが熱くて、もう目を離せない。

「好きです、花蔵さん」
 まっすぐな言葉に恋の中心を射抜かれ、楓子は潤んだ目を彼に向けた。

「私も、あなたのためにかわいくなりたくて……」
「嬉しいです」
 彼の目が愛し気に細められ、楓子はただ甘さにしびれる。

「キス、してもいいですか?」
「……うん」
 答えると、ゆっくりと彼の顔が近付いて来て、楓子は目を閉じた。

 重なる唇はそっと遠慮がちで、少し触れただけで離れてしまう。
 物足りない。もっと彼がほしい。

「風屋くん」
 ねだるように名を呼んで、目を閉じる。
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