私の年下メガネくん
「すみません、本当にごめんなさい!」
楓子は顔をひきつらせた。これでは自分が彼女をいじめている印象になりそうだ。
「柿田くん、君は存在感ありすぎ。ふたりとも仕事に戻って」
「すみません。これ、片付けてきます!」
晃司は逃げるように出て行き、楓子は席に座りなおして課長を見る。彼からのねぎらいなどない。
彼は自分を育ててくれた人で、冷静で公平だ。尊敬しているが、ちょっとは褒めてくれてもいいのに、と思う。
「年増のやきもち」
夢華の小声に振り返ると、フリーエリアの自席へ歩き去る夢華の後ろ姿が見えた。
むかむかと怒りの溶岩が噴き出してくる。が、こんなことでいちいち噴火していられない。
葵を見て癒されようと思ったら、席にいなかった。
社内アプリを確認すると、『商談のため離席・小会議室1』と書かれている。
楓子はまた息をつき、発注書の作成に取り掛かった。
仕事にきりをつけた楓子は廊下の奥の休憩コーナーに行き、スマホ決済で缶コーヒーを買った。ベンチに腰掛けて開封し、一口をのむ。
観葉植物で仕切られているから隣のベンチが見えづらく、ゆっくりできるのがありがたい。
「花蔵さん、お局様が板についてきたね」
「このまま独身を貫いて仕事するのかな」
商品部の女性ふたりがドリンクを買って隣のベンチに座った。出て行きづらくなり、そのまま息をひそめる。
楓子は顔をひきつらせた。これでは自分が彼女をいじめている印象になりそうだ。
「柿田くん、君は存在感ありすぎ。ふたりとも仕事に戻って」
「すみません。これ、片付けてきます!」
晃司は逃げるように出て行き、楓子は席に座りなおして課長を見る。彼からのねぎらいなどない。
彼は自分を育ててくれた人で、冷静で公平だ。尊敬しているが、ちょっとは褒めてくれてもいいのに、と思う。
「年増のやきもち」
夢華の小声に振り返ると、フリーエリアの自席へ歩き去る夢華の後ろ姿が見えた。
むかむかと怒りの溶岩が噴き出してくる。が、こんなことでいちいち噴火していられない。
葵を見て癒されようと思ったら、席にいなかった。
社内アプリを確認すると、『商談のため離席・小会議室1』と書かれている。
楓子はまた息をつき、発注書の作成に取り掛かった。
仕事にきりをつけた楓子は廊下の奥の休憩コーナーに行き、スマホ決済で缶コーヒーを買った。ベンチに腰掛けて開封し、一口をのむ。
観葉植物で仕切られているから隣のベンチが見えづらく、ゆっくりできるのがありがたい。
「花蔵さん、お局様が板についてきたね」
「このまま独身を貫いて仕事するのかな」
商品部の女性ふたりがドリンクを買って隣のベンチに座った。出て行きづらくなり、そのまま息をひそめる。