私の年下メガネくん
 観葉植物の奥に男女の足が見えて、そっと近づく。どうやら楓子と葵のようだ。
「……って反論されたの。本当に役に立つかもしれないから、うまく否定できなくて」
「一瞬でいろいろ考えられる花蔵さんは頭がいいんですね」
「褒めるのがうまいね」
 楓子が照れたように言っている。

 こんな女を褒めるはめになって、葵くんがかわいそう。
 いちゃいちゃする現場を見て騒いでやろうと、もう少し覗く。
 ふたりとも缶コーヒーを手にもじもじと座っていて、手もつないでいないのが驚きだった。

「あの……」
 ためらうように葵が言う。
「俺たち、つきあってるってことでいいんですか?」

「私はそのつもりだったけど」
 驚いた楓子の声に、
「嬉しいです! 実は俺、彼女ができるのが初めてで」
 喜ぶ葵に返す楓子の笑顔は甘く溶けている。

 なあんだ。
 夢華はくすりと笑う。
 そんな感じなんだ。壊すのは簡単そう。無駄に注意を受けたぶんまで返してやる。
 夢華の目が、ぎらぎらと復讐の炎に燃えた。
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