私の年下メガネくん
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楓子が憔悴していくのを、夢華は密かに笑っていた。
まだ足りない。天誅が必要。私はこの会社のアイドル、いわばスター。その私を傷付けたのだから。
そう思っていたとき、電話が鳴った。
すでに別の電話に出ていた隣の女性が、夢華に指で電話を示す。
夢華はむっとしながら電話に出た。こんなの自分の仕事じゃない。
「株式会社FUWAFUWAでーす」
「一和の赤沢だけど、花蔵さんいる?」
「いませーん」
夢華は即答した。あの女と電話をつなぐために話すなんて嫌だ。
「じゃあ伝言お願い。明日の四時の約束、三時に変更して欲しいんだよね。返事はメールでいいから」
「わかりましたぁ。伝えておきまーす」
夢華はにやりと笑った。
社内アプリで楓子の予定を見る。明日の三時からはガラス工芸作家のCHIHAYAと打ち合わせが入っていた。
『伝言聞きましたぁ! 三時にお待ちしてまーす! 花蔵楓子☆』
楓子の名前でメールを打ち、相手先に送る。
夢華はにやにやと笑いをこぼし、仕事に戻った。