私の年下メガネくん

***

 いったいなんなの。
 夢華は非常に怒っていた。楓子を抱き留めた爽真にも、奪い返すように抱きしめた葵にも。
 私がいるのに、浮気じゃないの。あいつ、絶対にわざと転ぶ振りしたんだ。そんなわかりやすい手にひっかかって。
 心の中で爽真を責める。

「なにあれ」
「ド修羅場じゃん」
 女子社員が楽しそうにこそこそと話す。

「花蔵さん、どっちに転ぶと思う?」
「課長はみんなのものでいてほしい~」

 聞こえる声に、夢華はあきれて笑いがこぼれた。
 残念、ふたりとも私のものになるんだから。それまでにもっときれいにならなくちゃ。
 夢華はネットのヘアカタログをじっくりと眺めた。
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