双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「ごめん、待たせた」

「いえ、今少し前に出てきたところなので」


 そんな会話をしながら彼は降りてきて、丁寧に助手席側のドアを開けてくれる。「乗って」と背に手を添えた。

 運転席に戻ってくると、勇信さんはハンドルではなく私の手を取る。両手で包み込んだ。


「本当に少し? 手が冷たい」

「えっ、本当ですよ」


 勇信さんは温かい手で私の手をさすり、「本当かな?」と笑う。その優し気な表情に鼓動がとくとくと音を速めた。


「そうだ、明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします」


 車を発進させてすぐ、勇信さんは思い出したように言う。

 新年明けてすぐ、大晦日のカウントダウンの直後にメッセージのやり取りをして新年の挨拶はした。でも、新年になって直接会うのは今日が初。


「そうですね、明けましておめでとうございます。こちらこそ、今年もよろしくお願いします」


 新年らしい挨拶を交わし、車内では自然と互いの年末年始休暇の話に。そうしている間にお参りする神社が見えてきた。


「あ、そうだ。なにか、話があるとメッセージにありましたけど、話っていうのは?」


 会う約束が決まったとき、メッセージのやり取りの中で勇信さんが【話したいことがある】と言っていた。


「ああ、あとで話すよ、食事のときにでも。とりあえず、行こうか」


 駐車場の敷地内に入り、空いている車庫を探した。

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