双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 初詣をしたあとは、少し早めの夕食に予約してもらっていた店に向かった。

 なにを食べるかは事前にメッセージでやり取りをしていて、一緒に鍋でも食べようという話にまとまった。

 勇信さんが予約してくれたのは、北海道の郷土料理が食べられる和食のお店。

 石狩鍋が美味しいというお店らしく、すごく楽しみにしていた。


「鍋、久しぶりだな。今期はまだ食べてない」

「なかなかひとり暮らしだと食べる機会ないですよね。私も自分では、ひとり鍋を数回したくらいです」


 頼んだドリンクに続き、テーブルの上のⅠHに鍋が運ばれてくる。

 鍋の中には白菜やにんじん、大根にごぼう、白ねぎや春菊という野菜をはじめ、しめじや豆腐、そしておおきな鮭の切り身がどんどんと豪勢に乗っている。

 すでにアクなど取り除かれた完成系で出てきて、軽く温めながら食べられるスタイルだ。

 最後の締めは、ご飯を入れて雑炊にするか、うどんを入れるか選べるらしい。


「ひとり鍋か。えらいな、ちゃんと自炊して鍋なんて」

「小さい鍋あるじゃないですか。あれ、結構便利なんです。鍋っていっても、残り物の野菜とか入れて煮るだけですから」

「簡単に言うけど、それができない人が多いからえらいなって。残り物をロスしないで使えるんだから」


 私にとってみれば大したことでもないのに、勇信さんはすごいことみたいに褒めてくれる。ふと、同じようにいつも褒めて育ててくれた父を思い出した。

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