双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「おみくじも引いてみる?」


 祈願を終えると、勇信さんがおみくじ結びを指さす。


「いいですね、引きましょう!」


 初詣に行っても、おみくじは引くときと引かないときがある。

 百円を入れておみくじが入っている箱に手を入れ、わくわくしながら引き当てたひとつを開いていく。


「え、うそ。凶……!?」


 初めて引いた凶の文字を見て思わず声が出る。


「うわ、俺も凶だ……」

「えぇ!? ほんとだ」


 なんと、驚くことに勇信さんが引いたおみくじも凶。

 互いのおみくじを見比べて顔を見合わせる。


「ふたりとも凶なんて……」


 なんだか縁起の悪い偶然。

 ふたりして大吉を引いたならただ喜べるけれど、凶が揃うのはよろしくない。


「いや、逆にすごいと思う」

「え……?」

「ほら、大吉より凶のほうが出にくいって聞くし、その出にくい凶をふたりで引き当てたんだから」


 勇信さんはどこか勝ち誇ったようにそんなことを言い、「大吉以上ってことじゃない?」なんて言う。

 妙にそれが説得力あり、ふふっと笑いが込み上げた。


「勇信さんのプラス思考、やっぱり説得力ありますね」


 おみくじの結果で一瞬にしてどんより落ち込んだけれど、勇信さんがそれを吹き飛ばしてくれる。

 ふたりして凶のおみくじを手にしながら、顔を見合わせ笑った。

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