双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「希穂……」
「お正月に家族にも話したら反対もされましたし、やっぱり……」
次の言葉を探していると、横から手を取られる。
「それって、もうこの関係を終わりにしたいってことなのか」
終わりたいなんて思うはずもない。
だけど、自分の気持ち最優先にそんな返事ができるわけもない。
負担になりたくないと言えば、優しい勇信さんはきっと負担になんてならないと言うだろう。
「ごめんなさい。少し、いろいろ考えてみます」
小さく頭を下げると、しっかり私の手を掴んでいた彼の手がすっと離れていく。
シートベルトを外し、ドアを開けて降車する。
ドアを閉める前、最後に勇信さんの顔をしっかり見た。
「来週中には発たれると言っていたので、きっと、その前にお会いするのはこれが最後だと思うので」
車の外に立った私を、勇信さんがじっと見つめる。
こうして顔を合わせて話すのもこれがきっと最後だと思うと、また涙が浮かんできてしまった。
「気を付けて、行ってきてください」
もっと伝えたいことは山ほどあるのに、たったこれしか言葉にできなかった。
言いたいことを連ねていれば、涙がぽろぽろと溢れ出しそうでだめだった。
ドアを閉め、もう一度最後の頭を下げてアパートのエントランスに入っていく。
足早に部屋まで向かい、入った玄関扉の内側で力尽きるように崩れ落ちた。
必至に我慢した涙が、決壊したダムのように溢れ出す。
「うっ、っ……」
静かな部屋の中には、悲しみに暮れる私の嗚咽がいつまでも聞こえていた。