双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
母の言う通りなのかもしれない。
自分でなにか意識したわけでもなく、自然と心が動いていく。
妊娠した事実に動揺する気持ちよりも、これから先どうしていくか、どうしていきたいか。
お腹の中の子たちが知らないうちに、私を母として成長させてくれているのかもしれない。
「仕事、辞めて帰ってきなさい」
母からの思わぬ提案に耳を疑う。
「ここで、産み育てればいい。私も、千帆もいる。妃花も陽太も」
母の言葉に続き、姉も「そうだね」と微笑む。
「それがいいよ! 希穂が帰ってきて、双子を産んだらさ、一気に大家族になって賑やかになるね」
ひとりで産み育てる覚悟の中で、正直大きな不安に襲われ始めていた。
すべてが自分にとっては人生初めてのこと。
それでも、お腹の子たちのために自分がしっかりと母にならないといけないと気持ちを奮い立たせていた。
母と姉が帰って来なさいと歓迎してくれたことは、今の私にとってはなによりも心強い。
「お母さん、お姉ちゃん……」
あっという間に浮かんだ涙が、ぽろぽろと目の縁から溢れ出していく。
「泣いてる場合じゃないよ! 一気にふたりの子ども育てるんだから」
気合いを入れるような姉の言葉に、涙を流しながらこくこくと頷く。
ふたりの優しさと寛大さに心打たれ、心地よい安堵に包み込まれていた。