双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「希穂……本気なの? 相手にも知らせず、ひとりで産んで、育てる気なの?」
母は最終確認でもするように訊く。
「うん。ひとりで、産み育てる」
「希穂、あんなそんな簡単に言うけど、子ども産むって大変だし、産んでゴールじゃないよ? そこから大人になるまで、ひとりで責任もって育てる自信があるの?」
シングルマザーで、ふたり子どもを産み育てている姉の言葉は重い。
正直、出産も育児もパートナー無しでひとりで乗り超えていくのは不安だし怖い。
でも、それでも……。
バッグからエコー写真を取り出す。そっと、ふたりの前のテーブルの上に差し出した。
「お腹の中の子……双子だって病院でわかった」
母は黙ってエコー写真を手にし、驚きで目を大きくした姉は横から写真を覗き込む。
「ふたつの命、私の都合とか弱い気持ちで消すなんでできない。それになにより、好きでも別れた人の子だから……産みたいって思う」
今日一番はっきりとした声で自分の思いを口にした私に、母も姉も黙って私を見つめる。
母はまたエコー写真に目を落とし、わからないくらいほんの少し笑みを浮かべた。
「もう、母としての希穂が始まっているのね。この子たちを守ろうっていう、母性が備わって」