双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 後期に入ると、双子それぞれの推定体重は二千グラム近くに。お腹もかなり大きく膨らみ、立っていても足元は見えず、自分で足の爪が切れないほど不自由になった。

 それまでのようには家事はできなくなり、少し動くとお腹が張り、三十四週になる頃から管理入院へ。

 出産は三十六週で自然分娩での出産で進められたものの、一人目を出産後に二人目の胎位が変わり、まさかの緊急帝王切開で二人目を出産することとなった。

 ふたりとも自然分娩で出産できていれば一週間ほどで退院できる予定だったけれど、入院期間は二週間ほどだった。

 それでも母子ともに健康で退院を迎え、そこからは実家で双子赤ちゃんとの生活が始まった。

 入院中は助産師、看護師が手厚くサポートしてくれる環境だったこともあり、体を休める時間もたくさんつくってもらえた。

 母子同室となっても、夜間双子が交互に起きて眠れないようならナースステーションでみてもらえ、睡眠をとるようにしてもらえたり、ゆっくりシャワーを浴びる時間もあった。

 しかし、退院すれば家族の支えがあるとはいえ、夜間は熟睡できない日が続き、まとまった昼間の数時間の昼寝が唯一の熟睡時間になった。

 でも、母や姉の協力がなければそれすらも許されない環境だったと思うと、産後鬱や育児ノイローゼというのは私にとっても現実的な話だったと思う。

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