双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 支度を終えると、母、姉家族と合流してホテルの朝食バイキングを利用した。

 八月初旬。家族の夏休み休暇を合わせて、今年は昔住んでいた名古屋に二泊三日で旅行に来ている。

 陸と海がそろそろ遠出もできるだろうと、四歳になる今年やっと計画を立てた。初めての家族旅行で、陸も海も終始楽しそうだ。

 二日目となる今日の午前は、母は昔からの友人に会いに、姉家族は駅周辺へと買い物へ行くという。

 私は陸と海を連れて、滞在ホテルからも程近い県営公園に行く予定だ。

 地元にはない大きな公園で、夏は水遊びもできる場所。どんな公園か動画で見せると「いきたい!」とふたりとも大喜びだった。

 せっかく夏の旅行だから、夏らしい遊びとか体験をさせてあげられたらいいなと思っている。

 夏の外出は小さな子連れには万全の装備が必須。

 まだ長時間は歩けないため、双子用ベビーカーは移動の必需品で、子どもたちにはそれぞれ冷却グッズを使用している。


「陸、海、水遊び行く前に、少し寄り道してもいいかな?」

 ベビーカーからは陸が「よりみちー?」と訊き返す。


 公園の入り口に近づくと見えてくる大きな丸い石碑。

 大震災の慰霊祈念碑の周辺には、今日は普段よりも多くの人が集まって合掌している。

 二十年前の今日、私はこの震災で父を亡くした。遺族として、この慰霊碑にはこれまで何度も訪れている。

 ここ数年は出産育児で自由に身動きのとれない数年だったから、ここに訪れたのは数年ぶりだ。

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