双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「まぁ、なにか忘れていたものがあれば送るわ」

「うん……わかった」


 母はそう言うとすぐに下へと向かっていく。


「お母さん」


 咄嗟にその背中を呼び止めていた。

 振り返った母はいつも通り。特に際立った感情を表情に浮かべるわけでもなく、私を見つめる。

 勇信さんが挨拶に来た日、涙を見せた姿も嘘のように感じるほど。


「今日まで、ありがとう。お母さんが帰って来なさいって言ってくれて、本当に救われたから」


 もっと気の利いた言葉が出てくればいいのに、口下手が故にこんな言葉しか出てこない。

 母は小さく息をつき、微笑を浮かべた。


「なに言ってるの、あなたの家でしょ。いつでも帰ってきなさい」


 いつも通りの母の様子が余計に涙を誘い、階段を下りていく背中がゆらゆらと揺れて見えていた。

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