双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「ひろーい!」
「きれい!」
好感触な第一声と共に、競争するように座り込んで靴を脱ぎ始める。
「ふたりとも、慌てないの」
もう私の声なんて耳に入っていないようで、靴を放り出してバタバタと廊下を駆けていく。
「あっ、こら、走らないのー!」
叫び声も虚しく、ふたりは玄関奥の廊下の先に消えていく。
私の横で勇信さんがクスクスと笑った。
「これからは、こんな様子が毎日見られるんだな」
勇信さんにとっては、我が子たちと始まる新生活は新鮮で心待ちだったのだろう。
今日を迎えるまで、通話で何度も一緒に住める日が楽しみだと言っていた。
今、ここに到着してそれを実感しているのだろう。
「ひとりで暮らしてときとは違って、騒々しいと思いますけど」
「それが嬉しいんだよ」
「でも、うるさくて疲れも取れないかもしれないですよ?」
勇信さんは微笑を浮かべて私へ腕を伸ばす。そっと引き寄せられ腕の中に収まった。
「それでもいいんだ。希穂と、子どもたちとこうして一緒にいられるだけで幸せなんだから」
「勇信さん……」
荷物を手にしたまま彼の背に腕を回し身を寄せる。
「私もです」
ふたりきりの玄関先で新生活への喜びを分かち合っていると、奥からバタバタとふたりが走ってくる足音が近づいてきて咄嗟にお互いに体を離した。