双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 スマートフォンで出勤の打刻をし、そのまま更衣室ロッカーへと向かう。

 仕事は常に作業着で行うため、出勤してまず着替えを済ませる。


「おはようございます」


 支度を終えて設備管理業務課に出ていくと、すぐに「おはよう!」と威勢のいい挨拶が返ってきた。


「冴島ちゃん、今日は急遽行くとこ増えたから」


 彼はこの池袋営業所に来てからお世話になっている長谷川さん。同じビルメンテナンスの技術者で、異動後の私の教育係だ。

 今は今後私が回る予定の契約先を一緒に回って指導してもらっている。

 私より四年先輩で、歳も四歳年上。

 明るく気さくで、課のムードメーカーといった人柄の長谷川さんは、最近人気のお笑いタレントに似ている。

 親切で気にかけてくれているけれど、たまに圧が強いような気がして内心引いてしまうときもある。

 異動したてで気遣ってくれているのだろうけれど……。


「そうなんですか。わかりました、よろしくお願いします」


 とはいえ、新たな職場も皆いい人で働きやすい。環境には恵まれたからありがたいことだ。

 ランチにパンを買いに行くことを楽しみに、営業所を出る支度に取り掛かった。

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