双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「自分たちは、練馬駐屯地のほうで勤務しているんです」

「えっ!」

 それを聞いて、思わず声が出る。

「この間、点検で行きました、練馬駐屯地」

「本当に? それは奇遇だな。冴島さんとは、なんか縁がありますね」

「ですね、ビックリしました」


 他愛ない会話をしているうち、車は地下鉄乗り口のすぐ目の前に停車する。駅名を見るとひとつとなりの駅だった。


「本当に親切に、ありがとうございました」

「脚は、大丈夫?」

「はい、もう平気です」


 ドアを開け降車し、もう一度「ありがとうございました」とお礼を伝える。

 砂羽さんは「気をつけて」と整った顔に笑みを浮かべて見送ってくれた。

 運転席から私が地下鉄の降り口を下っていくのを見守ってくれているのがわかり、いそいそと階段を降りていく。


「あっ……!」


 半分くらいまで階段を下りてから、さっき車内で借りたタオルを手に持ったままだと気づいた。


「やだ、返してない」


 慌てて下りて来た階段を上がっていく。しかし、停まっていた車はもういなくなっていた。

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