双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「今日は、お仕事帰りであそこに?」

「はい、今日は歓迎会をしてもらっていて、普段よりは遅かったんですけど、途中から雨がすごいって話で、滞在していたお店も地下まで水が流れ込んでしまっていたり……会の途中でお開きになりました」

 話を聞いた砂羽さんは「被害が出た店も多いかもしれないですね」と言う。

「してもらっていて、とは、冴島さんが?」

「ええ、八月から今の池袋営業所に異動になったんです。あ、私、ビルメンテナンスの会社に勤めていて」

「へぇ、ビルメンテナンスの仕事、技術職だ。でも、せっかくの歓迎会が災難でしたね」


 今日が歓迎会の日でなければ、とっくに帰宅してゆっくりしている時間。

 こんな災難を被ることはなかったのだ。砂羽さんにも、迷惑かけることなかったのに……。


「でも、あまりお酒も得意なほうではないので、どちらかというと、会社の飲み会は早く帰りたい人で……」


 話の流れからそんな個人的なことを口走ると、砂羽さんは「そうなんだ」と、ははっと笑ってくれる。


「あの、砂羽さんは……? お連れの方もいたのに、送ってもらう形になってしまい、大丈夫だったんですか?」

「ああ、それは大丈夫です。さっきの彼は、一緒に働いている仲間で。今日は、彼とさしで飲む約束をしていて」

 そう言った砂羽さんは「あ、でも彼はまだ未成年だから飲酒はできないけど」と笑う。

 まだ十代の子だったのかと黙りながらも驚いた。

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