双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
週末、日曜日。
週の中頃は暑さも和らいだものの、週末にかけて夏を思い出すかのように気温は上がり、今日の最高気温は三十四度。
日差しもあり、日傘を持って電車に乗り込んだ。
紙袋に入れてバッグの中に忍ばせてきたタオルに目を落とし、少し早まった行動を取っていないかと自分を見つめる。
借りたものを返さなくてはという気持ちばかりが先行して、駐屯地イベントに休日に足を運ぶなんてよくよく考えればかなり行動派だ。
縁があって二度ほど顔を合わせているから姿は見間違えない。
でも〝砂羽勇信〟という名前と、練馬駐屯地に勤務しているということくらいしか情報はない。
知り合いとも言えない微妙な立場なわけで、いきなり駐屯地に訪れたところでお会いすることなんてできるのかまったく保障はない。
勤務形態もわからないし、そもそも、今日のイベントにいるかもわからないもんね……。
目的地に近づけば近づくほど不安が増してくるけれど、出向いてみようと思ったからには引き返すのも違う気がして、池袋駅から足を進めた。
日傘の端から見上げた空には、綿菓子のような雲がぽつりぽつりと浮かぶ青空。歩いていると薄っすらと汗が滲む陽気だ。
練馬駐屯地の敷地が近づいてくると、音楽団かなにかの演奏が遠くで聞こえてくる。
すでに中で催し物が始まっているようで、入り口の門周辺も訪れた一般客で賑わっていた。