双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「さっきまで屋外展示のほうにいたんですけど、この暑さだし、一度引っ込んだんですかね。今、呼んできます」
「あ、いいんです。休憩されていたら申し訳ないし、私はこれをお返しできればそれでいいので」
バッグの中から紙袋を取り出し、木佐貫さんに差し出す。
「これ、砂羽さんにお返しいただけたらありがたいです」
「え、俺から砂羽一尉にですか? 直接渡さなくても」
「はい、返せたらそれでいいので」
少々強引に紙袋を受け取ってもらう。「よろしくお伝えください」と頭を下げ、その場を立ち去りかけた。
「あっ、砂羽一尉とは、連絡はつくんですか?」
「え?」
「連絡先を知っているのかなって」
砂羽さんとは特に連絡先を交換したりはしていない。そもそも、連絡先を知っていたらタオルを返したいとも伝えられたし、今日ここに来ることも事前に連絡できたはずだ。
「いえ、特には」
「ですよね、ここで探してるってことは」
木佐貫さんは「じゃあ……」と、作業服からペンとメモ帳を取り出す。
「ここに、一応残してもらえますか? この荷物と一緒に渡すので」
「え、でも……」
「ここで聞いておかなかったら、なんで聞いておかなかったんだって俺が言われそうですから」
木佐貫さんは気まずそうに言い、メモとペンを「お願いします」と差し出す。
「わかり、ました……」
そんな風に言われると木佐貫さんの面子もあるし、頼まれた通り名前と携帯番号を書き残す。
「ありがとうございます! これは確かに渡しておきますので」
「はい、よろしくお願いします」
木佐貫さんと彼女さんにお礼を言い、入り口の門へと向かっていった。