双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 電話をかけてきたのがそのまさかの砂羽さんで、ひとり急に落ち着きを失う。


《よかった。木佐貫から話を聞いて、タオル、わざわざありがとうございました》

「いえ、こちらこそ、返さずに持って帰ってしまい」

《たいしたタオルじゃないから、わざわざ返してもらわなくてもよかったのに》

 砂羽さんは《とはいえ》と続ける。

《せっかく届けてもらってそんな言い方はないですね。ご丁寧に、感謝します》

「いえ、こちらこそ、先日はお世話になりました」

《その後、脚は大丈夫でしたか》


 滝が流れるようになっていた階段で膝をつき痛めた脚も、少し時間が経てば普通に歩行でき、帰りの地下鉄も問題なく乗り降りして家路についた。

 軽い打ち身みたいなものだったのだろう。

 あのときも別れ際まで脚を気にかけてくれた砂羽さん。優しいいい方だ。


「はい、おかげ様で特に問題なくです。ご心配をおかけしました」

《そうですか、それは良かった。木佐貫から聞きましたけど、今日は朝から来てくださっていたとか》

「あ……そうですね、お昼前には着きまして」


 結局、なんだかんだ三時間ほどは駐屯地にいたと思われる。

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