双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「今日は、ありがとうございました。ご馳走にまでなってしまい」


 今日のお礼を改めて伝える。

 対面して顔を上向けて、砂羽さんの長身を改めて実感した。


「こちらこそ、有意義な時間をありがとうございました。楽しかった」


 ストレートに〝楽しかった〟と言ってもらえたことが嬉しくて、つい顔が綻ぶ。


「私も、楽しかったです。では」


 最後にぺこりと頭を下げ、改札に向かう。

「気を付けて」と言った砂羽さんを一度だけ振り返り、足早にホームへと向かった。

 帰りの電車は、土曜日の夜というのもあってか平日よりも空いていた。

 空いている座席に腰を落ち着け、ずいぶんあっという間の時間だったと振り返る。

 さっきこの電車に揺られて向かっていたはずなのに、もう帰りの電車に乗っているのだから。

 それだけ充実した数時間だったと思うと、ひとりなのについ笑みが浮かびそうになる。

 それを必死に堪えながら、過ぎ去った時間を名残惜しく思っていた。


 ほんと、楽しかったな……。


 もっといろんな話をしたかった。時間が足りなかったなんて感じるほど、普段よりも時の流れが断然早かった。

 次の約束が絶対に実現するとは限らない。

 そんな現実をもどかしく思いながら、帰りの電車に揺られていた。

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