双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
ひとりでぷらっと散策とかはするけれど、観光地みたいなところは東京に出てきても取り立てて行ったことがない。
特に、カップルが楽しめるようなところには人一倍縁のない人間だ。
砂羽さんは「引きこもりって」と笑う。
「ぜんぜんそんな風に見えないけどな」
「そうですか? 東京に出てきてからも、そんなにいろいろな場所に遊びにいったことがなくて」
「ぜんぜん構わないよ。木佐貫の彼女、瑠(る)南(な)ちゃんも女性がいたほうがいいと思うし。俺も、こういうの頼める相手がいないから冴島さんについ」
この話が始まったとき、そういうのは彼女に頼めばいいのにと思って聞いていた。
でも、頼める相手がいないというのは、砂羽さんにはそういう相手がいないということになる……?
「私で問題ないのでしたら、ぜんぜん構わないです。都合が合えばにはなってしまいますけど」
了承の返事に、砂羽さんは「ありがとう」と微笑む。
「まだ日程とか、どこに行きたいとかはなにも決まっていなくて、話が出ている程度なんだけど。話がまとまってきたら、また連絡させてもらいます」
「わかりました」
そんな話をしているうちに、地下鉄の乗り口が近づいてくる。足を止めかけ「私はここから……」と帰り道を知らせた。