双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
案の定、続きを失った冴島さんは大きな目でじっと俺の目を見つめてくる。
それだけで胸をわしづかみにされたようで、必死に気持ちを落ち着けた。
とりあえず振り払われる気配はなく、腕から膝の上にある彼女の手を取った。
「また、会いたい」
思ってたことがストレートに口から出てしまい、一瞬焦った。
こんな風に言われて、彼女は一体どう思うのか。
早まったと思う気持ちを鎮め、優しく小さな手を包み込む。
薄暗い車内で、こっちをじっと見つめる彼女の顔に微笑が浮かんだ。
「はい、ぜひ」
ほんの少しだけ指先が動き触れ合う。
あまり引き留めても悪いと思い、包んだ手を解放した。
冴島さんは静かにシートベルトを外し、ドアを開けて降車する。
「ありがとうございました」
最後にもう一度お礼を口にし、ドアを閉めてアパートの入り口へと向かっていった。
その姿が見えなくなって、車を発進させる。
手の中にいつまでもきめ細やかな彼女の手の感触が残っているようだった。