星を繋いで

星座煌めくラテリア王国

ここは惑星間の移動ができるようになった遠い未来の地球・日本。普通の女子高生のルミは今日もひっそりと暮らしていた。そしてある日大規模な宇宙エラー「ネオサイバー」が起きてしまい、別の惑星へ飛んでしまったルミ。街は騒然とし、人々は混乱に巻き込まれた。この世界では惑星移動はごく稀で移動方法を知らな人の方が多い。

ルミが目を覚ますと青髪の少年が心配そうにルミを揺さぶっていた。彼は謎の言語を話し、ルミは何も理解できず戸惑っていた。すると勘づいた少年は紙を持ってきて自分のことを指す単語であろう「Iu」と多分名前であろう「kerya」と書きながら言った。文字はまるで星座のように点と点が繋がったような見た目をしていた。そして彼はケーリャという名前で今は自己紹介をしているのだと思った。そしてルミは意を決して真似して自己紹介してみることにした。
「Iu Rumi」
するとケーリャは理解したのか目を輝かせてルミ、ルミと何度も呟いた。そしてルミは惑星間の移動の仕方を訊きたかったがどうも説明が難しい。なんとか絵を描いて説明しようとしたが上手く伝わらなかった。すると彼は口を開いた。
「Ruu monnu kei?」
全くわからなかったが心優しいケーリャは図を描たり身振り手振りで説明してくれた。どうやら「Ruu」があなた、「monnu」が帰るや戻る、「kei」がしたいという言葉ということがわかった。つまり「あなたは帰りたいの?」と聞いていることになる。「はい」という単語がなんと言うかわからないルミはとりあえず頷いてみた。
するとケーリャはルミの手を引いてどこかへ向かった。着いたのはどこかロマン溢れる図書館だった。そして大きな分厚い本を手に取り、あるページを開いた。異形な文字で何と書いてあるかはわからないが図を見るからに惑星間の移動方法が書いてあるようだった。ルミはこれを解読するため、ケーリャとの言語解読ライフが始まった。
まずは文字を読むため、ケーリャに身振り手振りで文字を書いてと伝えた。書かれた文字を見ながら今度は発音を聞き出した。どうやら文字の仕組みは点字や韓国語のように「a」を表す星座と「k」を表す点を繋げることで「ka」になるという仕組みのようだった。ルミは全てをメモし、街の看板を読んでみることにした。おそらく「図書館」と書いてあるであろう図書館の看板には「Ruumies」、ルーミエスと書いてあった。ルミは知った単語をメモしていくことにした。
先ほどの移動方法の書物に文字を照らし合わせ読んでみると
「monnu azugoa
1.gerun dennte mau.
2.san kei homyu fan.
3.tera gamung.」
と書いてあるようだった。意味はさっぱりだが数字からして手順のようだった。そしてルミとケーリャは解読に取り掛かった。まず文脈的に「azugoa」は方法だろう。そしてさっき習った「monnu」と繋げると帰る方法となり、文脈的にも精巧だ。続いて「gerun」。ケーリャは壮大な宇宙の絵を描き、おそらくこれは宇宙という単語だろう。しかし次の「dennte」がわからない。ルミは後回しにして「mau」の解読に移った。ケーリャは持っていたハンカチをルミに渡して
「Ruu karett mau」
と言った。文法がSOV(主語、目的語、述語)っぽいので文法的に「karett」がハンカチだとしたら「mau」は得る、ゲットするという意味だろうか。とりあえずはこの方向性で進めた。
次は「san」。ケーリャはルミの手を引いて
「Ruumies san」
と言って図書館へ向かった。「Ruumies」が図書館なので「san」は向かうや行くという意味だろうか。ケーリャの教え方が上手すぎる故ルミは少し希望を持った。行く、そしてしたいという意味の「kei」。行きたい、となるようだった。
次は「homyu」。これは説明が難しいのかケーリャも困惑しているようだった。またもや後回しにして「fan」の解読に取り掛かった。すると今度はケーキ屋に向かい、ケーリャは大げさに動作をしてケーキを選んだ。
「もしや…fanは選ぶ…?」
これは直感だがケーリャの頑張りに免じて「fan」は選ぶ、とした。
だんだん終盤に近づいていき、次は「tera」だ。これは簡単でケーリャは目を指差した。これは単純に目だろう。最後は「gamung」。ケーリャは開いていた図書館のドアを閉めた。閉める?閉じる?そして解読した単語たちを並べると、
「帰る方法
1.宇宙dennteを得る
2.行きたいhomyuを選ぶ
3.目を閉じる?」
あとはこのわからない二つの単語だ。ルミは文脈的に無理矢理解読できないかとメモと見つめあった。これは帰る方法なので「homyu」は場所や惑星?行きたい惑星を選んでくださいということなのだろうか。あとは1番不明で1番大事そうな「dennte」だ。宇宙データ…データ…?ルミは宇宙データというこの世界で通信できる電波を思い出した。しかしそれが惑星移動に繋がるとはルミもケーリャも知らなかったようだ。「dennte」がデータだとしたら宇宙データの得方は幼い頃に教わっていた。教えられた記憶を頼りに指を掲げた。すると脳内にさまざまな惑星が現れ、地球を選び、目を閉じた。
「どうか解読できていますように…」
そう祈った瞬間ふわっと体が軽くなった。そして去り際にケーリャは口を開いた。
「Iu Ruu keryi.」

目が覚めるとそこは見慣れた街だった。宇宙エラーは改善したのか人々はほっとした様子で過ごしていた。それに、ケーリャが最後に言ったのは何だったのだろう。

「keryi」。その言葉、また会う日までに解読しておくよ。
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