ロールキャベツ男子って、そういう意味じゃないと思います。
「なんだ、ここにいたのかよ。地下牢には入れるなって言ってあったんだけど。」

 ガチャガチャと牢の鍵を開けたその人は、黒い服に黒いマントを着ている。服装はヴァンパイアっぽいけど、顔と口調が学校の友達みたいだ。

「ここ寒いんだよね。大丈夫?」
「は、はい……」

 この人がヴァンパイアなのだろうか。あまりにも若すぎるし、フレンドリー過ぎる。

「とりあえずこれ羽織ってて。」

 着ていたマントを脱いで、ふわりと肩に乗せてくれた。温もりが体を包み込み、全身が暖かくなっていく。

 地下牢を出ると、華やかな赤い絨毯に煌びやかなシャンデリアが目に映った。初めて見る光景に思わず目を輝かせてしまう。

「俺はレオノアール。適当にレオって呼んで。あんたの名前はえっと……」
「リゼル……です。」
「あ、そうだ、リゼル。思い出した。」

 レオ様は私が生贄として来ることを知っていたのだろうか。

「もう寒くない?実はお腹空いててさ……」

 ドキリと心臓が跳ねた。油断していたけれど、レオ様はヴァンパイアだ。お腹が空いているということは、つまり──
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