推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜
そんな名言が頭に浮かぶ。
ミシュリーヌに推し活をやめるという選択肢はなかった。
両親はミシュリーヌが無事に嫁げるのかいつも心配していたし、モアメッドとの婚約を勧めてきたこともあったが、ミシュリーヌにとってどこまでいってもモアメッドは推しなのだ。

いつかは婚約者もできて、推し活に終止符を打つ日がくることはわかっていた。
それは貴族に生まれてきた以上、仕方ないことはわかっていた。
まさか『間違えた婚約』になってしまうとは思いもよらなかった。
まだ推し活をやめなければいけないという心の準備はできていなかったのだが、それ以前の問題だろう。

間違いだと言われたミシュリーヌはどう反応するのが正解なのだろうか。
ミシュリーヌは公爵邸の装飾が施されたソファに座りながら考えていた。

(どうしましょう……とは言っても、もう書類上は婚約者なのよね)

ミシュリーヌが困惑しているとオレリアンは淡々と口を開く。
憂いている顔も彫刻のように美しいのだが、あまり健康そうには見えないのが気がかりだった。


「シューマノン子爵にも君にも本当に申し訳ないことをしたと思っている」

「……え?」
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