推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜
だが、ミシュリーヌはこの世界でも運命の出会いをしてしまう。
それが今のミシュリーヌの推し。
第二騎士団の副団長、モアメッド・ディーである。
彼に婚約者ができて、幸せになるまで見守りたい。
ミシュリーヌはそう願って推し活を続けていたのだ。
シュマーノン子爵家にはエーワンがいるため、シューマノン子爵家を継ぐ必要はない。
王太子の婚約者候補で求婚が山のようにきているクロエは別で、推し活ばかりしていて令息との噂がまったくないミシュリーヌを両親は心配していたように思う。
それに何度か顔合わせをしたこともあるが、推し活のことを言うと顔を曇らせてしまう。
ミシュリーヌが『好きなことは?』『趣味は?』と聞かれて、必ず推し活の話をするのだが、返ってくる言葉はみんな同じだ。
『それならば彼と結婚すればいいじゃないか』
『他の令息に気持ちがあるなら顔合わせをするべきじゃない』
推し活に対する熱意と愛は強いのだが、それは恋人に対するものとは違う。
そのことを説明するのは難しく、推し活に理解を示す令息が少ないのも事実だ。
昔から騎士団のファンはたくさんいるのだが、ミシュリーヌのように過度な応援は見たことはないのだろう。
(推しは推せる時に推さないと……!)