モカとゆめ色トレイン

シュガーのひみつ

汽車はどんどんすすんでいきます。
まどの外にはにじ色のお花がさいていたり、ユニコーンが楽しそうに走っているのも見えました。
(すごい! 本当に魔法の国なのね!)
モカはまどの外を見て、むねをおどらせます。
『まもなくシャボンくらげのトンネルを通ります。くらげのダンスをお楽しみください』
シュガーは乗客たちにけしきを楽しんでもらおうと、ときどきアナウンスをしています。

「おじょうさんは絵をかくのかしら?」
モカのとなりにすわったおばあさんが話しかけてきました。
「今日もお絵かきしてたのよ!」
モカはスケッチブックをめくって見せます。
「あら、上手ねえ。ミルクちゃんもかいてもらえないかしら」
「ミルクちゃんって?」
「この子よ。まだ赤ちゃんなの」
おばあさんはひざの上のまっ白なねこをなでながら言いました。
モカもミルクをなでさせてもらいました。
「いいわ。上手にかけるかしら」
モカはクレヨンをとり出して、サラサラとミルクをかいていきます。

そのときです。

「うわぁっ!」
シュガーのおどろく声といっしょに、汽車が「プップー!!」と大きな音でけいてきをならして、急ていしゃしました。
モカは急いでうんてんせきに向かいました。
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