モカとゆめ色トレイン
「こんどはなあに?」
「おばけマシュマロがとび出してきたんだ。あぶなかったぁ!」
シュガーはまだドキドキしているようで、むねをおさえています。
「おばけマシュマロ?」
「このあたりに住んでいる、マシュマロのようせいなんだ。イタズラずきで、こうやってみんなをおどろかせて楽しんでいるんだ」
外を見ると、まっ白で大きなマシュマロたちがふわふわとんでいます。

「ミャア!」

そのとき、モカの足もとをなにか白いものがかけぬけていきました。
「ミルクちゃんが!」
おばあさんがあわてた声で言いました。
けいてきと急ブレーキにおどろいたミルクが、汽車の外にとび出していってしまったのです。
「たいへん! 急いでさがさなくっちゃ!」
モカは外に出ようとしてびっくりしました。
「なにこれ!」
なんと、汽車の外には白いねこがたくさんいます。
「おばけマシュマロのイタズラだ! ねこのすがたに変身したんだ」
シュガーが頭をかかえます。
「どうしよう……もうだめだ」
シュガーはなきそうな声でつぶやきました。
「どうしたの? なきそうな顔で」
「ぼく、モカちゃんにあやまらなくっちゃ」
「え?」

「ぼく……、本当はしゃしょうじゃないんだ」

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