婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
しかもどこか驚いたような、がっかりしたような、そんな声色だ。
「違います。ギデオン様のお客様です。今、お城を案内しておりました」
「そうですか……てっきり、ギデオン様に愛想を尽かして、新しい方と……」
「なんのことでしょう?」
エステルが首を傾げるのと、セリオが「なんのことだ?」と問いただすのは、ほぼ同時だった。
セリオの勢いに負けて、メイドは「なんでもありません」と一歩退く。
「あのですね。ギデオン様もおっしゃっていましたけれど、私とギデオン様はそういう関係ではありませんから」
どうやらエステルをギデオンのお嫁さん候補だと期待している者がいる。それに気づいたのは、除雪魔導具を完成させたとき、ギデオン本人から聞かされたのだ。いや、雪が降り始めたときにもそういった誤解があった。しかし、その誤解はまだ続いている。
だからギデオンも、エステルに不快な思いをさせるかもしれないと言っていた。彼のほうも、そういった事実はないとはっきり言ってはいるようだが、それでも何人かは、今もなお期待を寄せている。
恐らく、目の前の彼女もそのうちの一人。
「違います。ギデオン様のお客様です。今、お城を案内しておりました」
「そうですか……てっきり、ギデオン様に愛想を尽かして、新しい方と……」
「なんのことでしょう?」
エステルが首を傾げるのと、セリオが「なんのことだ?」と問いただすのは、ほぼ同時だった。
セリオの勢いに負けて、メイドは「なんでもありません」と一歩退く。
「あのですね。ギデオン様もおっしゃっていましたけれど、私とギデオン様はそういう関係ではありませんから」
どうやらエステルをギデオンのお嫁さん候補だと期待している者がいる。それに気づいたのは、除雪魔導具を完成させたとき、ギデオン本人から聞かされたのだ。いや、雪が降り始めたときにもそういった誤解があった。しかし、その誤解はまだ続いている。
だからギデオンも、エステルに不快な思いをさせるかもしれないと言っていた。彼のほうも、そういった事実はないとはっきり言ってはいるようだが、それでも何人かは、今もなお期待を寄せている。
恐らく、目の前の彼女もそのうちの一人。